消費者金融業務の監督官庁と政府の役割

消費者金融

消費者金融業者の監督官庁は、金融庁です。したがいまして、消費者金融をはじめ、多重債務問題など金利や返済に関する相談・問題・解説は金融庁のホームページにかなり詳しく情報が掲載されています。もっとも、東京にある金融庁が実質すべての業者を監督することは無理なので、貸金業法は、登録を行う権限を都道府県知事にも委任しています。

 

具体的には、貸金業法第3条に、二以上の都道府県の区域内に営業所又は事務所を設置する場合は内閣総理大臣(財務局)の、一の都道府県の区域ないの場合は都道府県知事の登録をを受けなければならないと規定されています。政府の役割は、規制をすることだけではなく、相談窓口など救済の手段を設けて広く知らしめる役割も担っています。先駆けとなったのはやはり多重債務の問題です。

 

例えば、2006年12月22日に政府は「多重債務者対策本部」を設置し、翌年の2007年4月20日には「多重債務問題改善プログラム」を決定しました。そしてそのプラグラムでは、(1)都道府県市町村における相談窓口の整備・強化(2)公的低金利融資制度や生活保護などセーフティネットの強化(3)多重債務者発生予防のための金融・経済教育の強化(4)ヤミ金の撲滅に向けた取り締まりの強化などへ取り組むことが決められています。こうして、現在は相談窓口がたくさんできているのです。気をつけてみていると、市役所や、合同庁舎などの配布物がおいてある場所などに、借金を抱えた人への相談間口や電話番号、URLなど記載されたチラシを見かけることがあります。これは、こうした動きを反映してできたものなのです。

 

即日審査

消費者金融と他の金融システムとの比較

消費者金融の特徴は、借り手と金利の2つに集約されるでしょう。その名前通り、企業でなく個人を対象とするという点でいわゆる銀行とはことなります。もっとも、最近では銀行も普通の個人を対象にすることも多くなりましたが、それでも信用のある会社に勤務している会社員か、あるいは自営業者に対して信用を供与しているというケースが多いようです。

 

もっとも、個人が銀行からの借り入れを行う場合は、先に述べた「販売信用」を利用して住宅ローンやマイカーローンなどに使うことが典型でしょう。その場合に会社員であれば勤め先の会社の信用が審査における重要な要素となりますし、カードローンなどをつくる場合でも勤務する会社によって通りや通やすさが変わってきます。当然、金利も変動しますが、すくなくとも金利が20%を超えるようなことはないでしょう。

 

そして、そこからあふれた人を受け止めるシステムが消費者金融で、金利の高さ分だけ信用がないことを表しています。また、消費者金融以外の銀行などの金融機関は顧客が法人なども他にいます。むしろそちらのほうが、主要な顧客層といえます。法人の場合は、個人と違い設備投資などにお金をつかったり、従業員への給料の支払いやその他の運転資金として多額のお金を使いますので、金利が安くてもトータルの(銀行への)支払金額は高くなりますので、その分利率が違います。逆に言えば、比較的信用力の低い個人に対して融資をする部分のリスクを分散することができるとも言えます。しかし、消費者金融は基本的に個人を対象としている部分だけ、リスク分散がしにくい。それがいっそう高金利に拍車をかけているとも言えます。

消費者金融が狙うワーキングプア

ワーキングプアという言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。近年に日本で頻繁に聞くようになった言葉です。メディアに多く露出するようになったのは、数年前にNHKの番組で特集番組が取り上げられて以降です。就業しながらも低所得から抜け出すことができず貧困にあえぐ人たちのことです。少なくとも日本においては、就業を拒否して生活保護を受ける人よりも、ワーキングプアの状態にある人数のほうが圧倒的に多いのです。

 

メディアでは、少数の前者を取り上げることが多いのが残念な事実ですが。一般にワーキングプアという状態にある方は、長時間労働だったり、あるいは複数の仕事を掛け持ちしたり、あるいはシングルペアレントの状態で「家事」という労働と外の労働を持っていることが多いのが実状です。そのような多忙な状態で、公的機関やあるいは自身が加入している民間の生命保険からの貸付制度などの情報にアクセスする時間と手間を捻出するのは難しいことです。そこで、頻繁にテレビコマーシャルなどによる露出の多さによって目に付く消費者金融に手軽に手を出しがちです。

 

しかし、その多大な宣伝広告費はどこから出ているのでしょう?それの広告費のためにも一般の金融機関よりも高い金利が必要になるということもあるのではないでしょうか?自分にとって必要なものを探す手間や時間をコストと考えて、経済学では「探索費用」という言い方をします。税金で運営されている救済手段の多くは、広告宣伝に民間ほどお金をかけることはできません(それも税金です)。したがって、みずから時間と手間をかけて探す必要がありますが、そのほとんどは少し出かけて役所に行って聞くだけです。それであれば少なくとも「現金」の支出はありませんし、そこで調べたことや受けた助言がその後の財産になる可能性もあります。やはり、「安易な手段」を選ぶのは禁物と言えます。政治も手をこまねいているわけではなく、最近は日本でも「給付付き税額控除」とう主にワーキングプアの救済を念頭におい制度についての議論がかまびすしくなってきました。2015年4月16日付けの日経新聞の「経済教室」はそのテーマの執筆でした。世の中をよくするために、貧困問題に取り組む人がいる一方で、そこにつけ込むビジネスをしようとする人もいます。足下をすくわれることなく、着実に生活を続けてゆくためには、安易な手段をとらず、一人で悩まず公的機関に相談したり、調べたりするという極めて基本的な行動が大事です。